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商談での雑談は不要? | 雑談が苦手・できない方安心してください

ろくまる

営業の研修で初めの方に習うのが、「初めて会うお客様と、雑談などをして、緊張感をほぐして、コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作りましょう・・・」のような、雑談(アイスブレイク)などの手法だと思います。

確かに、初対面の場合には、まず気軽な会話から入ることで、その後の話をしやすくなるということはあると思います。

ただ、毎回商談の時に、必ず雑談は必要?

雑談、あまり得意じゃないのに絶対しないとダメ?

などと思っている営業の方もいらっしゃると思います。

正直、雑談が得意で、できるのであればすればいいし、無理そうであれば、しなくていいと思います。

本記事では、商談の最初に雑談が必要無い理由と、雑談無しで商談を進める方法についてご紹介します。

雑談はギャンブル

雑談は、本題である商談に向けて会話のしやすい雰囲気を作ることが目的の1つです。

必ず会話のしやすい雰囲気を作れるのであれば問題ないですが、お互いの性格やタイプ、状況によっては、雑談をしても、あまり盛り上がらなく無駄な時間を使ってしまう、さらに下手をすると、気まずい雰囲気になってしまう場合もありえます。

雑談をしなければ、お客さまとの雰囲気は、プラスマイナス・ゼロの状態です。

雑談をした場合、お客さまとの雰囲気が和みプラスになる場合もあれば、気まずい雰囲気になりマイナスになる可能性もあるという事です。

気まずい雰囲気になりやすい例

営業経験が浅い場合、商談に不慣れな部分も多く、緊張感も強く、会話も全力投球みたいな感じになり、その気持ちがお客さまにも伝わってしまいます。
「私、今、アイスブレイクやってまーす!」的な雑談では、内容が薄く、話がつまらないケースが多く、お客さまも冷めてしまう。
自分から始めた会話なのに、お客さまの回答に上手く答えられなく、会話が途切れてしまう。

このように、気まずい雰囲気になってしまうなら、雑談をしないで、さっさと商談を始めた方が良かったという事になります。

つまり、うまく雑談を行うことに越したことはないけども、「効果(いい雰囲気)」に対して「リスク(気まずい雰囲気)」の影響の方が大きいですし、そのリスクの確率も高いと言えます。

雑談はお客さまに合った内容を話す事で会話が成立します。

ですので、自分の中で雑談内容に自信があれば始めればいいです。

「とりあえず、雑談から始めないと・・・」と安易に始めるとか・・・

「雑談ちょっと、やりにくいなぁ~」と感じるなら・・・

無理して雑談をせずに、さっさと本題に入りましょう。

営業
営業

本日は、お忙しい所、ありがとうございます、早速ですが始めさせて頂いてよろしいでしょうか・・・

みたいな感じで、軽く挨拶や面談のお礼だけ言って、商談を進めましょう。

お客さまが雑談を求めていない時

お客さまが、雑談を求めていない、不要だと感じている場合があります。

このようなお客さまの雰囲気や状況を察したら、すぐに商談に入るようにしましょう。

お客さまが雑談を求めていない可能性があるケースは以下の3つあります。

雑談を求めていない可能性があるケース
  1. 忙しくて無駄な話をしている時間はない
  2. 役職が上の方との商談
  3. 雑談が苦手なお客さまもいる

忙しくて無駄な話をしている時間はない

基本的に商談する時間帯は、お客さまの業務時間中になると思います。

ですので、お客さまが、「急な仕事を一旦中断して商談に来てくれている」とか、

「今日は仕事量が多くて、いつも以上忙しい」などの理由で、

「商談を効率良く済ませたい」と思っているかもしれません。

このケースは、打合せ開始時間になっても中々お客さまが来られない時が多いです。
お客さまが、遅れて来られた時、さりげなく「お忙しい所ありがとうございます、何かお急ぎの事でもありましたか?」など、お礼と質問で聞いてみましょう。

お客さまの答えが「忙しい」に関連するようであれば・・・

営業
営業

お時間、もったいないと思いますので、早速始めさせて頂ければと思います。では・・・

のような感じで、商談を進めましょう。

役職が上の方との商談

先ほどの、お客さまの仕事が忙しい時と内容は近いですが、役職が上になればなるほど、商談に割ける時間が限られてきます。

ですので、必要な情報のみを素早くキャッチできればいいと、効率を優先される方が多いと思います。

気持ちとしては、「雑談せず、さっさと本題に入って効率よく進めてほしい」というような感じです。

このケースは、まず役職が「取締役」「本部長」「支店長」などかなり上のほうと思える役職の方です。
また、アポイントを取る時も、日程調整が難しく、この日と、この日しか空いていないなど、予定がある程度限られている場合が多いです。

このような場合には、重要な話に的を絞って効率的に進めたほうが好感を得られる可能性が高くなるので、

営業
営業

本日はお忙しい所、お時間を頂戴し、ありがとうございます、早速ですが、本題に入らせて頂きます。

のような感じで商談を進めましょう。

注意点

ただ、役職が上の方は年配の方が相対的に多く、話好きな方も結構いらっしゃり、相手から会話を積極的に始められるケースも多くあります。

ただこの場合は、お客さまの会話に合わせて、相槌を打っていればいいので、雑談が苦手な方でも大丈夫だと思います。

雑談が苦手なお客さまもいる

お客さまの中には雑談が苦手な人もいます。

雑談が苦手なお客さまに、雑談を行っても、苦痛を感じさせ、むしろ壁を作られてしまう可能性があります。

雑談が苦手そうかな、好きそうでないな、という空気を感じたら、雑談をしないで、さっさと本題に入る方がスムーズに商談が進むと思われます。

①「ええ」「そうです」などの相槌での返事が多い

このケースは、事前に分かるものではないですが、経験上で会話(雑談)が苦手・好きでない方には2つのパターンがあります。

例えば・・・

相槌での返事が多いパターン
営業
営業

今日は、本当に暑いですよね

お客さま
お客さま

そうですね

営業
営業

駅前の新しい・ラーメン屋さん行かれました?

お客さま
お客さま

いいえ

営業
営業

御社の業界で、新しい技術が発表されてましたね

お客さま
お客さま

よく、知らないです

このように、相槌のような短い言葉で回答をされる場合です。

②沈黙が続く

わざと、会話を止めて沈黙してみてください。相手も沈黙のままだと、恐らく会話が得意でない方が多いと思います。

沈黙が続いた時は、正直に自分の気持ちを、以下のように伝えましょう。

相槌での返事が多いパターン
営業
営業

すみません、実は、営業なのに話をするのが得意でなくて、沈黙になってしまって困りますよね。

こう言うと、お客さまのほうも・・・

お客さま
お客さま

私も、あまり話すのは得意じゃなくて、気にしないでください

とか・・・

お客さま
お客さま

こちらこそ、上手く返事が返せず、すみませんね

などと、話をしてくれる場合があります。

その後、

営業
営業

すみません、では早速、本題に入らせてもらってよろしいでしょうか?

と、会話をつなげましょう。

なんとなく雰囲気で感じるとは思います、相手の反応をチェックしながら、少しでも、会話が好きそうでない、苦手そうだと感じたら、本題に入るようにしましょう。

新人・若手の方が使えるテクニック

これは、会った瞬間に判断して使うテクニックです。

新人・若手の方が、面談相手とかなり年齢差があるなと感じた場合(面談者の見た目の個人差はあると思いますが、おおよそ40才以上かなと感じれば、自分に正直になって話をしましょう。

まず・・・

営業
営業

すみません、実は、まだ、営業経験が浅くて、かなり緊張しています。

一生懸命頑張りますので何かお気づきの点や至らない点があればご指摘ください、よろしくお願いします。

と、話をしましょう。

これで、お客さまが優位な立場で会話ができる状況を作る事ができます。

そうすると、お客さまは、リラックスできて、気持ちよく話しができる状況になり、あわよくば、この人一生懸命そうだから協力してあげようかなとも思ってくれます。

また、お客さまと同時に、自分の緊張も少しほぐれると思います。

さらに、「ご指摘ください」と言っているので、きちんとヒアリングしないと聞けない事や、アドバイス・フィードバックなども教えて頂ける可能性があります。

是非、新人・若手の方は、上手く活用してください。

どうしても雑談をしないといけない時

役職が上の方との商談にも書きましたが、これは、あくまでも、自分から話をしないという事です。

もし、お客さまから、雑談を話かけられた場合は違います。

お客さまは、業務時間の1部を割いて面談の時間を作ってくれています。

ですので、わざわざ雑談をしてくれているお客さまの話題は無下にしてはいけません、しっかりと対応しましょう。

こちらから話題を提供する必要がないので、会話のハードルはかなり低くなると思います。

基本的なスタンスは、お客さまの話題に合わせて、会話をするだけで問題ありません。

ただ、できれば、雑談を盛り上げれるように、少しだけオーバーリアクションする、相槌を多めにするなど、

できるだけ、お客さまの気分を盛り上げましょう。

この時だけは、雑談をした方がいい時

これは、商談が終わった後の時間です。

お客さまも商談中は仕事モードですが、商談が終わった後は、一息ついてリラックスされている状態です。

営業のあなた自身も、商談無事が終わって一安心という気持ちだと思います。

これは、お客さまと営業の双方が1番リラックスできている時間になります

もし、お客さまに時間の余裕がありそうで、あなた自身も雑談ができそうであれば、是非、積極的に行って下さい。

商談終了後の雑談例
  • 今日の商談の感想
  • 今回の商談に至った経緯
  • 他社の検討状況
  • 担当者の方の商談に関わる役割
  • お客さまに関する内容(建物、景観、近くのお店など)

このような内容の雑談をしてください。

商談後の雑談は、商談中よりも話が弾むことが多く、親密度も上がり、有益な情報を得られる可能性も高いです。

また、商談後に、お客さまから雑談を振ってきてくれることがあります。

これは、お客さまが、有益な商談だと感じた時です。

今回の商談は成功事例として捉え自信を持ってください、そし今後の営業活動に役立てていきましょう。

雑談ではなく、商談の中身が重要

基本的に、お客さまは、自社の課題解決のヒントや答えを見つけたいと思い商談に臨んでいます。

商談のプロセスとしては、何回か商談を繰り返し、最終的に提案・見積を行い、商談結果が出るという形になると思います。

結果の良し悪しは、お客さまの期待に1番応えられる提案・見積ができたか・できなかったかです。

結果として、この商談を勝ち取る事、これが営業の最大の仕事になります。

その商談を勝ち取るためには、提案内容・見積が一番重要なことになります。

特に、提案内容の差は、どれだけヒアリングができ、ニーズやウォンツを見極める事ができたかで違ってきます。

口ベタで、雑談が苦手で、「自分は、やっぱり営業に向いていないのかなぁー」と思うのは、間違いです。

雑談が、商談の結果にもたらす影響は、ほとんどありません。

実際のところ、営業経験を重ねていくと、雑談が上手くなり、多少お互いの緊張感を、ほぐす事ができると感じる時はあります。

ただ、本や研修でいわれているような、初対面の人と5分程度の雑談で、会話のしやすい雰囲気を作って、打ち解ける事ができるかというと・・・

私の経験では、そこまで、できた事は無いと思いますし、できる可能性も感じません。

ですので、雑談をしない営業スタイルでも、ヒアリングをしっかり行えれば、問題ありません。

雑談をするか?しないか?を気にするよりも

まず、ヒアリングを行いながら、本題の話をしっかりする事の方が重要だと思います。

まとめ

雑談はお客さまに合った内容を話す事で会話が成立します。

自分の中で雑談内容に自信があれば始めましょう。

自信が無ければ、無理に雑談する必要はありません、雑談をしない方が雰囲気が悪くなるリスクを避ける事ができます。

また、雑談を不要とされているケースもあるので、お客さまのタイプ(印象)、立場やその時の状況で判断しましょう。

雑談する・しないで商談結果には影響しません、雑談が目的ではなく、商談の中身が重要です。

もし、雑談をして失敗してしまっても、それは、あなただけの貴重な経験です。

成功・失敗を繰り返しながら、あなたなりの営業スタイルを作ってみてください。

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