トリビア

アポイントに遅刻は厳禁! | 遅刻の伝え方とお詫びの3STEP

ろくまる

まず、アポイントに遅刻するというのは、営業としては、基本的にはあってはならない事です。

ただ、営業をしていれば、どうしても、やむを得ず遅れてしまう場合もあります。

例えば・・・

  • 交通機関の事情などにより移動に遅れがでる
  • 新規顧客に訪問の際、道に迷って、想定以上に時間がかかってしまう
  • 車で移動していて、事故等で渋滞に巻き込まれ間に合いそうにない
  • さあ、出かけよう!とした時に、お客様から連絡が入り時間を取られる
  • 1件目の商談が想定以上に長引き、2件目のアポイントに間に合いそうにない

他にも色々あると思いますが、営業をしていれば、皆さん1度くらいは経験したことがあるのではないでしょうか。

私自身も、営業活動の中で、回数を覚えていないほど多く(多分20年で間で10回以上)遅刻をしています。

本記事は、もしも、アポイントに遅刻した場合、どようにお客さまに連絡して、どのようにお詫びすればいいのか、ケース毎に説明していきます。

特に、お詫びについては、私自身、この方法が1番誠意の伝わる方法だと思っています。

是非、参考にしてもらえればと思います。

遅刻を伝える時のタイミングと内容

まず遅刻することが分かった時点で、すぐにお客さまに連絡をするようにします。もちろん、メール、LINE、SMSなどではなく電話で直接伝えるようにしてください。

そして、お詫びとともに、「どのくらい遅れてしまうのか」を伝えます。

たまに、もしかしたら間に合うかもしれないからギリギリまで電話をしないで頑張ってはみたが、結局間に合わないので約束の時間になって電話を入れた、なんていう話を聞きます。

でもこれでは手遅れなんです。お客さまにも予定があります、ですから、間に合わないと思った時には、すぐに電話を入れてお詫びを述べて、訪問できる時間を伝えましょう

「どのくらい」を「どのくらい」で伝えるのかの考え方

到着時間は、確実な時間を伝えなければなりません。

例えば「14時が約束の時間で、車両故障の影響で20分程位遅れそうな場合」

悪い例

山田さま、大変申し訳ございません。電車が車両故障で遅れておりまして14時からのお約束の時間に少し遅れてしまいそうです。

※このような伝え方は、皆さん、しないと思いますが、必ず「何分遅れます」とか「何時何分にになります」など必ず時間を伝えましょう

良い例

山田さま、大変申し訳ございません。電車が車両故障で遅れておりまして14時からのお約束の時間に30分ほど遅れてしまいます。

伝え方のコツ

※このときのコツは、到着する時間に少し余裕を持たせることです。

例えば「20分遅れそうな場合」であれば、「30分ほど遅れます」と伝えておくのです。
到着時刻に+5分~+10分を付け加える事で、確実に到着でき、自分自身も遅れて焦っている中で、少し心の余裕を持つことができ冷静な対応ができるようになります。

※ここで注意なのですが、電話する時、申し訳ない気持ちから、遅れる時間を短く伝えてしまう人がいます。しかし、これは絶対にやってはいけません。

さらに余裕のできる伝え方

例えば、「20分遅れます」と伝えておいて、「30分」遅れて到着する事になった場合、再度遅れる事を伝えなければならず、2度の遅刻をしたことになります。

やる事は簡単です、時間の後に「過ぎ」を付けましょう。

こんな感じで伝えます。

営業
営業

山田さま、大変申し訳ございません。
電車が車両故障で遅れておりまして14時からのお約束でしたが、
14時30分過ぎには、お伺いできると思います。

私は、もともと、時間には余裕を持って行動するタイプなのですが、さらに気持ちに余裕が生まれ、突発的なトラブルや仕事などが起きても、スムーズに対応できるようになりました。「過ぎ」は、自分の色々なビジネスシーンで活用できると思います。

是非、必要に応じて「過ぎ」を付け加えてみて下さい。

1.到着時間は「確実に」到着できる時間を伝えましょう。

2.「確実な時間」なので、想定時間の+5分~+10分で伝えしましょう。

3.さらに、不安がある場合は、伝えする時間に「過ぎ」を付けましょう。

お客さまの立場を考えよう

遅刻してしまうときのお客さまへの連絡は、営業にとってとても大切です。

お客さまは、あなたと会う時間を、自分の1日のスケジュールの中に組み込み、あらかじめ時間を取ってくれているのです。

お客さまの時間を拘束しているという事を認識してください。

例えば30分遅れると連絡した場合、お客さまは、自分のスケジュールを確認して大丈夫か、また、会議室の予約は延長可能かどうかなど確認されるでしょう。

もし、後のスケジュールが詰まっていた場合、優しいお客さまであれば、関連する方に連絡し、スケジュールを調整して頂けるでしょう。

このように、遅刻というのは、お客さまに、余計な行動をさせてしまい、無駄な時間を使ってもらう事になりかねません。

これは、お客さまの本来の業務に支障をきたす事も想定されます。
このような事により、お客さまとの信頼関係に大きく影響する可能性があります。

お客さまの立場に立って、お客さまの気持ちを認識しましょう

遅れる時間以外にも伝えておく事

このように、遅れる時間を、お客さまにお伝えする事は必須ですが、この遅れる時間は、自分の都合しか考えられていません。
お客さまにも、その後の予定があるはずです。

ですので、お客さまの立場に立ち、配慮する気持ちを持つようにしてください。

遅れる時間を伝えた後、できれば、さらに一言伝え、配慮を心がけましょう。

さらに一言伝える例
営業
営業

14時30分過ぎには、お伺いできると思います。
申し訳ありませんがお待ち頂いてもよろしいでしょうか

営業
営業

14時30分過ぎには、お伺いできると思います。
ご迷惑をお掛けしますがお時間よろしいでしょうか?

営業
営業

14時30分過ぎには、お伺いできると思います。
お時間が押してしまいますがご予定のほう、大丈夫でしょうか?

お客さまとの関係の深さにもよりますが、できる限り、深い配慮を心がけてください。

また、電話でお客様に連絡する際、遅れる理由を詳しく説明する必要はありません。
時間が無い中で詳しい説明をすると、言い訳がましくなってしまうからです。

「電車の遅延で」「商談が長引いてしまって」など簡潔に伝えることを心がけてください。

・お客さまの立場を配慮した言葉を一言添えましょう

・遅れる理由は簡潔に伝えましょう

連絡を入れたいけど、連絡しにくい場合、どうする?

特に連絡が入れにくいのは、「1件目の商談が想定以上に長引き、2件目のアポイントに間に合いそうにない」のように、商談が長引いたケースではないかと思います。

基本は、遅刻が想定される時、速やかに、お客さまに電話でその旨を伝えお詫びすることが望ましい対応です。

ですので、次の約束の時間に間に合いそうにないと判断したとき、できるだけ、速く遅れることを伝えるべきです。

商談中の場合、電話をかけるために、席を外しづらいという雰囲気や慣習があるかもしれませんが、そのような場合でも遅刻の連絡は電話で行う方が好ましいです。

なので、商談中のお客さまにきちんと理由を話し、お詫びをして、席を外して連絡しましょう。
また、このような、あなたの誠実な行動が、商談中のお客さまに対しても、好感を持ってもらえる事もあります。

確実に到着できる時間をお客さまに伝え、そこに確実に間に合わせることで誠意が伝わります。

慣習や雰囲気に遠慮するのではなく、緊急度と重要度で判断し行動しましょう。

連絡したけど、担当者が不在の場合どうする?

連絡手段は、電話が基本ですが、電話をかけても、担当者の方が不在で連絡が取れない事があります。

例えば、外出していたり、会議などに参加されているような場合です。

このようなときは、電話に出られた方、もしくは、同じ部署の方に伝言を依頼しましょう。これは、約束の時間に遅れてしまう事を、必ず担当者に伝わるようにするためには重要な事です。

伝言内容の伝え方
営業
営業

私、スタイル株式会社の“イナダ”と申します

営業
営業

今日、山田さまと14時に、お約束をさせて頂いたのですが、申し訳けありません、車両故障で30分程遅れてしまいそうです。

営業
営業

お手数をお掛けいたしますが、山田さまに、ご訪問時間が14時30分頃になる事、お伝えいただけますでしょうか。

営業
営業

念の為、私の携帯番号をお伝えしますので、もしご都合が悪いようでしたら、お電話を頂ければと思います。

営業
営業

番号は、090-XXXX-XXXXです(ゆっくりと)、私、スタイル株式会社の“イナダ”と申します、よろしくお願いいたします。

多くの場合は、電話応対をして頂いている方は、あなたへの面識はあまりなく、イメージがしにくいと思います。

ですので、間違って伝わらないようにも、「担当者の方の部署・お名前」「自分の社名・名前・携帯番号、到着時間」など

重要なワードは、丁寧に、はっきり、ゆっくりと伝え、復唱し、間違いが無いか確認しましょう。

また、このような状況に備えて、できれば、担当者の方の携帯番号、担当部署の電話番号、会社の代表番号などを合わせて、自分の携帯に登録しておきましょう。

そうすれば、担当者の方への連絡が、よりスピーディに行えると思います。

ポイント
  • 遅れる事を確実に担当者の方に伝わるようにしましょう
  • 伝言に間違いが無いように、ゆっくり、はっきり伝えましょう
  • お客さまの状況に配慮する為に、自分の携帯番号を伝えておきましょう

お詫びの「3ステップ」

それでは、実際に遅れて訪問した際に、具体的に、どのように進めていけばいいのでしょうか。

先ほどの、電話で遅れる旨の連絡・お詫びは、この3フェーズの前段階、ゼロフェーズになります。

(お詫びステップ1)
まずは、訪問時・対面した時にお詫びしましょう

どんな事情があったとしても、第一声は、お詫びの言葉、そしてお客さまを思いやる言葉から始めましょう。

まず、お客さまと顔をあわせた、その瞬間にお詫びをしてください。

また、お詫びの際は、くれぐれも言葉の順番を間違えないようにしてください。

悪い例

車両故障で電車が遅れてしまって・・・、遅れて申し訳ありませんでした。

良い例

遅れて申し訳ありませんでした。(簡潔に述べる

良い例

長時間お待たせしてしまって申し訳ありませんでした、実は、車輛故障で・・・

たとえ、やむを得ない状況だったとしても、事情説明はお詫びの言葉や相手を思いやる言葉の後に言いましょう。

この順番を間違えると「言い訳をしている」「責任逃れをしていると」捉えられがちになります。

事情説明をする前に、まず「お詫び」この順番を必ず守りましょう。

お詫びする時の謝り方はどうすれば?

第一声は、「お詫びの言葉」からと言いました。

ただ言葉を言うだけでは、心がこもっておらず、お客さまに誠意が伝わらない事があるため、さらに反感を買ってしまう場合があります。

どのようなお詫びの仕方で、お客さまが、反感や違和感を感じるかというと・・・

代表的な許せない謝り方
  • 口先だけで、申し訳なさが感じられない謝り方
  • 言葉が薄っぺらく感じる
  • 反省の気持ちが全く感じられない、上面だけの謝り方
  • 嘘をつく
  • 自分の非を認めず、他のせいにする
  • 反省が芝居がかっている
  • 笑顔でお詫びをする
  • 遺憾ですなど、普段使わない言葉でお詫びをする

このように、反感や違和感を感じる、お詫びの仕方だと、お客さまは、表面上は、遅刻したことに対して、反省・恐縮したように見せていると感じます。

素直に反省しているとか、心から反省しているなどの誠意や気持ちは伝わりません。

誠意や気持ちが伝わらなければ、「申し訳ございませんでした」という言葉が、お客さまには、「すみません」程度のお詫びしか聞こえていません。

では、どのようにして気持ちを伝えればいいでしょうか?

お詫びの時の立ち振る舞い方
  1. まず、お客さまの正面に立ち(距離は、あまり近くならないように注意)
  2. 下から相手を見上げ
  3. しっかりとお客さまの目を見て
  4. 声のトーンは低めに、ゆっくりと
  5. 反省の気持ちを込めて
  6. 「遅れて申し訳ありませんでした」とはっきりと聞こえる大きさの声で、最後の語尾まで、きちんと伝えましょう。
  7. この言葉を言い終えてから、ゆっくりと頭を下げ、2~3秒くらい止めてから、
  8. ゆっくりと頭を起こしましょう。

たまにあるのが、お詫びするので、「反省して、申し訳なさそうな態度をとる必要がある」と考えて、肩を落として、しかめ面で、伏し目がちで、苦しそうに小さな声でお詫びをする人がいます。しかし、これは間違いです。

お客さまに誠意が伝わらず、先ほどの、許せない謝り方に捉えられてしまうからです。

お詫びの言葉を、反省の気持ちを込めて、きしんと、しっかりと相手に伝えることを意識しましょう。

(お詫びステップ2)
商談開始時にお詫びしましょう

まず、席についたら、商談を始める前に、改めて、丁寧にお詫びをし、その際に理由などを説明しましょう。

ただし、理由を説明する際、「言い訳・責任逃れ」に受け取られないように注意してください。

言い訳に受け取られるのは、「自分は悪くない」という意味の内容説明をすることです。

悪い例

いやぁ~。大変な目に逢いましたよ。XXX鉄道のXXX駅で車両故障があって、20分も缶詰状態になってしまって、そのせいで大幅に遅れてしまって・・・

これは、つまり、「遅れたのは交通機関が原因で自分には責任がない、悪くない」と言い訳、責任逃れをしていると、お客さまは捉えてしまうからです。

たとえ、そんなつもりが無かったとしても、お客さまがそのように捉えてしまうことがあります。

なので、何も考えず、不用意に軽く発言してしまうと、遅刻したうえに、さらに信用を落とすことになります。

説明をする際も、「自分に責任があった」「お客さまにご迷惑をお掛けした」という気持ち心に刻んで、事実だけを説明するようにして下さい。

気持ちを切り替えて商談を進めよう

ただし、お詫びをしたら、気持ちを切り替えて商談を進めましょう。

反省している状態のまま、商談を進めても、お客さまは、前向きには話を聞いてくれません。

反省する時はする、仕事をするときはする、仕事のオン・オフを意識して進めましょう。

営業
営業

山田さま、本日は打合せの時間、遅れてしまい申し訳ありませんでした。では、早速ですが・・・

このような感じで、潔く反省した上で、すぐに仕事に取り掛かろうとする姿勢は、お客さまもメイハリを感じ、気持ちを切り替えて頂けると思います。

また、アポイントに遅刻した分の時間を取り戻そうとする姿勢は、お客さまに誠意が伝えることができます。

(お詫びステップ3)
帰り際に再度お詫びしましょう

商談が終わり、お客様さま別れる際に、もう一度、お詫びをします。

何回もお詫びをするのは、どうかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、

商談時は、反省の気持ちを一旦横に置いて、通常の仕事モードで会話をしています。

商談が終わって、いつも通りに、「本日は、ありがとうございました、失礼致します」だけでは、もうお詫びはしたので、反省は終わっている?という風に、お客さまに伝わるかもしれません。

ほとんどの人は、別に反省を終わらせているわけではないと思います。

なので、別れ際に、再度、お詫びを伝えましょう。

ここでは、簡単な言葉で問題ないと思います。
例えば

営業
営業

本日は約束の時間に遅れてしまい、大変申し訳ございませんでした。
今後ともよろしくお願いします

簡単な一言で十分です。

再度、お詫びをすることで、本当に反省している意思を伝えることができます。

多くの営業は、冒頭で謝るだけで終わりにしてしまいます。

しかし、それだけでは十分ではありません。遅刻したときは、到着時、商談開始時、帰り際の3回に、それぞれお詫びの意志を伝えるようにしましょう。

ポイント

・お詫びの際は、言葉だけでなく、気持ちと態度で誠意を伝えましょう。

・お詫びは、必ず3回行いましょう。

まとめ

人は完璧ではないし、仕事をしていれば、多かれ少なかれ、ミスは起こるものです。

ですので、ミスを起こさないといのは、恐らく無理な話だと思います。

重要なのは、ミスしたときの対応です。

まずは、どのような理由があったとしても「自分に責任があった」という姿勢でお客さまにお詫びをし、誠意を伝えてください。

重要なのは、「お客様の立場になって

遅れる時間を伝える

誠意ある謝罪をする

一切の言い訳をしない

この3点です。 これを守って、お客さまのお信頼を落とさないようにしてください。

お客さまから、お怒りの厳しい言葉を受ける時もあるし、1度のミスが命取りになる事も事実としてあります。

ただ、起きてしまった事は、仕方ありません。

大事なことは、ミスした時の対応で、お客さまの信頼を失う事もあれば、信頼が深まる事もあるという事です。

また、このミスした時の対応を、自分の経験として、成長させる機会として捉えてください。

ここで解説したお詫びの伝え方を身につけて、これからの営業活動に役立ててください。

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