トリビア

お客さまは会社紹介にあまり興味なし | 何を伝えるか、伝えた後の会話は・・・

ろくまる

初回訪問時に、必ずすることと言えば、「会社紹介」ですね。

一般的には、会社案内・パンフレット・紹介資料などで説明すると思います。

取引の無いお客さまへの訪問は、緊張も伴い、会社紹介で、自社をできるだけ理解してもらおうと思い、説明やPRを細かく5分以上説明していませんか?

実際の所、お客さまは、あなたが説明する会社紹介に、あまり興味をもって話しを聞いてくれてはいません。

「当社が創業したのは○○年で……」「当社は社員が何名で事業所が〇○ヵ所あって……」「当社の事業内容は○○で……」とか・・・これって、会社のホームページを見れば、ほとんど載ってませんか?

本記事では、会社紹介で、「話をするべき内容と時間」、「説明方法」、「会社紹介の後にするべきこと」の3つのポイントについて説明します。

会社紹介は、どんな内容でどのくらいの時間?

お客様は会社紹介の説明には興味がありません

いくら、あなたが、お客さまに、自社を理解してもらおうと思い、一生懸命に、「企業理念は・・、ビジョンは・・、沿革は・・、売上高は・・、従業員数は・・、事業所数は・・、事業内容は・・」などを、話し続けても、残念ですが、お客様は、興味を持つことはありません。

人は、初めて会った人の話を一方的に聞けるのは3分が限界だといわれています。

ですので、興味のない話を延々と聞かされるのは、お客さまにとって苦痛でしかありません。

「話が長いなー」「早く終わらないかなー」とか、さらには、「もう会いたくないな」「もう会う必要はないな」という感情を抱かせてしまう場合もあります。

実際に、私も多くの会社紹介を聞いてきましたが、企業理念、沿革、事業内容などは、事前に会社のHPを見れば、大体わかる事で、それを延々説明されると、無駄な時間を過ごしている気持ちになります。

会社紹介はできるだけ短くしよう

会社説明をする方で10分以上話し続ける営業の方も見かけます。

個人的かもしれませんが、10分以上説明されると、「延々と話しを聞かされている」という風に感じます。さらに長く感じた場合、「後で見ておくので結構です」とか言ってしまう場合も、あります。
一所懸命に説明するのは悪い事ではありませんが、長すぎる会社紹介は逆効果になります。

できれば、会社紹介は、5分以内で終らせるようにしましょう。

まず、資本金、従業員数、沿革、拠点数など、見て分かるものについては、

資料に書いてある事は、後でも見てもらえばわかる事です。 いちいち説明せずに要約して、伝えたいことだけに絞って説明していくようにしましょう。

ただし、説明しない、要約するだけなので、知らなくてもいいというわけではありません。

また、いつお客様から質問されるかもしれません、自分の会社情報は、資料を見なくても説明できるように覚えておきましょう。

もし、質問された時に、資料を見ずに、スムーズに話しをすることができれば、お客さまのあなたへの信頼も上がります。

覚えておきべき会社社情報

1.会社の基本情報(従業員数、事業所数と所在地、設立年日など)

2.事業内容(主力商品・サービス、事業の特徴、得意な分野・領域など)

3.財務情報(最低、直近の売上高、利益、できれば3カ年の状況など)

経験上、よくあるのが、初回訪問時ではありませんが、商談がある程度進むと、参加されるメンバーの中に経営層の方が参加さるようになる事がよくあります。

経営層の方は、業績や事業戦略、法改正などに常に関心をお持ちです。

実際に会話の最初の方に、前年度の業績や過去数年の業績推移の状況、業界動向などを質問されるケースが結構ありました。

初回訪問から、経営層の方が出てこられるケースは少ないと思いますが、商談が進めば質問される可能性があると思い、質問されれば、スムーズに話ができるように覚えておきましょう。

訪問前の事前準備は?

まずは、訪問するまでに、お客さまに関連する情報をインターネット等で、事前に調べておきましょう。

調べておいた方がいい内容

1.お客さまの事業・商品等は、どんな内容なのか

2.お客さまと同じ業界の他の会社は、どんな事業・商品なのか

3.お客さまの業界は、今どのような状況なのか

4.お客さまの目指している事はどんな事なのか

このような情報をまとめた上で、自社の商品・サービスと、まとめた情報を突き合わせしてみてください。

そして、お客さまの事業に対して、自社の商品・サービスで何かお役にたてるものが無いのか、お客さまが、目指す方向性に対して、自社がどういった形であれば、かかわれば、貢献できるのか、などを考えてください。

例えば・・・

営業
営業

うちの会社のXXX技術を使って頂くと、お客様の業務が効率化できて、セキュリティも強固なものにできるんじゃないかな?

営業
営業

お客さまの業界では、AIを活用したサービスの導入をしている企業が増えているみたいなので、1度、状況を聞いてみよう。

このように、お客さまと自社の商品・サービスを結び付け、いくつか仮説を考えてください。

会社紹介は、5分以内で終らせるようにしましょう

自分の会社の基本情報は覚えておきましょう

事前準備として仮説をいくつか考えておきましょう

会社紹介の説明方法と目的

短時間で会社紹介を行う方法

紹介する各項目の内容を要約して簡潔に話す

各項目のタイトルを言うだけ補足事項(書いてない事)を簡潔に話す

このような形式で話をすると、情報量を短く伝えることができます。

どちらも、単に簡潔に話をするように見えますが違いがあります。

各項目の内容を要約して話す場合

忙しくて仮説を考える時間が無かった、知らない業種なので、仮説が考えられなかった時などに行います。

お客さまへの説明している中で会話を行い、説明の間に質問を挟んで、お客さまの答え方や反応を見ながら、興味がありそうなテーマを探っていきます。

例えば、以下のように「XXXというサービス」を説明をした後

営業
営業

弊社のXXXというサービスは、どの企業との取引でも認められるレベルに対応したサービスとなっています、ちなみに・・・

以下のような質問をしてみて、返事の内容や反応を確認します。

営業
営業

御社では、セキュリティへの取り組みはどうようにされていますか?

営業
営業

最近、XXというコンピュータウィルスが増えていますが、御社は大丈夫ですか?

補足する事を話す場合

予め、立てておいた仮説に合わせて、アピールしたい所を、補足として完結に説明します。

補足を説明しながら、お客さまの反応や返答などで、仮説が合っていそうかどうか判断し、興味がありそうなテーマを探っていきます。

会社紹介で、伝えるべき2点

1.「安心感を持ってもらう」

お客さまが、あなたの会社は「信頼できそうな会社だ」「怪しい会社ではないな」と、思ってもらう事です。
そのため、ある程度、知名度のある会社であれば、あまり必要ないかもしれません。

また、経験上、訪問先が中堅・大手(大体年商300億以上程度)企業の場合は、「信頼できそう、怪しくない」も当然ですが、さらに「取引しても大丈夫な会社か?」という観点で見られることが多いです。
例えば、前期の業績とか、会社の保有する資格などです。

ですので、訪問する企業の規模も意識した上で、会社紹介の説明ポイントを工夫しましょう。

2.「他社との違いを伝える」

会社紹介で、お客さまが知りたいのは、「要するにほかの会社とどこが違うのか」ということです。
簡潔に説明する中で、他社との違いをアピールする事を心がけ、お客さまの印象に残るようにしましょう。

例えば、

営業
営業

〇〇業界では、約30%のお客様が、当社のサービスをご利用いただいています

営業
営業

〇〇〇の技術については、約30年以上取り組んでおり、高い実績を残しています

営業
営業

当社は、国内外200社以上のメーカーと取引があり、様々な商品をご紹介する事が可能です

営業
営業

先月、当社のXXXサービスが、〇〇という情報誌で取り上げられました

このような、具体的なデータや数字などの客観的情報を用いて、お客さまに自社の特徴を伝えましょう。

会社紹介の目的

お客さまに「安心感」を持ってもらう事

お客さまに「他社との違い」を伝える事

会社紹介の後、することは?

約5分で無事、会社紹介が終わったら、さあ、どうすればいいでしょうか?

お客さまの興味を聞いてみよう

まず、することは、お客さまに、こう聞いてみましょう。

営業
営業

どこか、ご興味を持って頂いた所はありますでしょうか?

と聞いてみましょう。

もし、お客様が興味を持って頂いた所があれば、10分でも20分でも詳しく説明してください。

お客さまが興味を持つ=お客さまが知りたい事です。

なので、興味を持って頂いた内容について、できれば「事例や実績」などを紹介できるように準備しておいてください。

例えば、事例紹介だと

営業
営業

ネットワーク環境の構築では、お客さまの通信コスト削減、業務効率化の実現に成功しました

例えば、実績紹介だと

営業
営業

30年以上の〇〇技術を使った開発実績と300社以上の導入実績とノウハウを持っています、XXの導入については色々なご提案ができると思います。

みたいな感じで

このように、お客さまに対して、さりげなく、自社の強みや特徴をアピールしてください。

このことで、お客さまには、「信頼できそうな会社」+「色々なノウハウや技術も持っている会社だな」とか「また、別の日に詳しく話が聞きたいな」というイメージを持ってもらえれば成功です。

このような良いイメージを持ってもらう事は、仮に、何日か後に、競合他社が来て、ダラダラと単純な会社説明を行った場合

お客さまは、「別に何も特徴なかったなー」「自社のメリットになる話は無かったなー」などと感じ、「この前来た会社の方が、色々相談できそうだな」と思ってもらえます。

これで、お客さまが勝手に、他社と差別化を図ってくれます。

ただし、逆もありえますので、手を抜かずに会社説明を行ってください。

また、興味を持って頂いた事を説明している時に、何故、興味を持って頂いたのかなど背景や経緯等を聞ければ、そこから、お客さまの課題やお困りごとが分かり、商談につながるかもしれません。

ここまでできるのは、中々難しいかもしれませんが、頑張って挑戦してみてください。

お客さまの興味に合わせ、「安心感」の上に「信頼感」を積み上げましょう

お客さまに興味が無かった場合

短時間で会社紹介を行う2つの方法で説明した、「興味がありそうなテーマ」の中からに、事前に自分で考えてきた「仮説」で、当てはまりそうな順に、お客さまにぶつけてみてください。

興味があまり無かったお客さまに仮説をぶつけ、お客さまが、興味・関心を示してくれれば、それは、お客さまに気づきを与える可能性ができたという事になります。

お客さまに、気づきを与える」これが、営業の本質です。

このように、仮説を立ててみて、話しを組み立てみて、お客さまにぶつけてみて、興味の喚起に繋げて、気づきのヒントをお客様に与えることができるようにしてください。

仮説をぶつけてみて、失敗しても、落ち込む必要はありません。

やってしまったー!とか、気まずいなぁー!とか思うかもしれませんが、見る目のあるお客様なら、あなたの一生懸命した事前準備や仮説をぶつける行動力に気が付いてくれます。

仮説は失敗かもしれませんが、提案をしたという行動は営業をして成功です。

また、このようなお客さまこそ、信頼関係を深めべきるお客さまになります。

何かお困り事ありませんか?と単に聞いてくる営業と、自社の事を色々考えてくれて、こんな事困ってませんか、こんなこと検討しませんか?と提案してくれる営業と、どちらの営業をお客さまは、信頼するでしょうか?

また、提案/ソリューション営業には必要と言われている、この仮説思考力は、理論を勉強するだけでは、身につきません、実践を繰り返してこそ身につくスキルです。

日頃から、仮説検証する習慣を身に付ければ、誰でも身に付ける事のできるスキルです。ぜひ、日々の思考の中に取り入れてみてください。

「お客さまに、気づきを与える」ことが営業の本質です。

仮説に失敗しても落ち込む必要はありません、提案という行動は成功です

自分の事もアピールしよう

会社の安心感、信頼感を伝える事も大事ですが、

注意しておかないといけないのが、会社紹介の説明内容は問題なくても、説明している営業マンの印象やマナー、応対が悪ければ、いくら知名度のある会社でも、お客さまは不信感を感じます。

お客さまは、初めてくる営業マンの印象=会社の印象として捉えます。

あなたは、会社を代表して訪問している、あなたのイメージは会社のイメージとして伝わるという事を認識しましょう。

メラビアンの法則では、人が初めて会った相手を判断する時の、比重は「表情55%、音声38%、会話7%」といわれています。

まず、お客さまに、不快感を与えない身だしなみとビジネスマナー、そして、元気よくハキハキとあいさつ、会話することで、お客さんに良い印象を与えることができます。

また、会社の理念に対して、自分なりに共感できる事や考え方を伝える事や
自分の営業活動に対する想いなどを伝える事もアピールになると思います

お客様は商品・サービスの良し悪しだけでなく、営業マンの良し悪しも含めて、選んでいます。
同じ商品・サービスを売っているのに、営業マンによって結果に差が出る理由はここにあります。

お客さまに対して、「自社の強みは何か?」「何ができるのか」「何がお役にたてるのか」を伝えれるよう、自分なりの会社説明パターンを作っていって、他社の営業と差別化できるように、考えていきましょう。

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